このまま死ぬまで「ひとりじゃないし」「ひとりで生きてくつもりはない」と思ってる方はスルーしてください。
ひとり、の準備
人はひとりで生まれてひとりて死んでいきます。
とはよく言います(笑)。
が、基本的には誰かと生きています。
私もひとりが好き、とはいっても、誰とも関わらずに、誰にも気にかけてもらえなくても平気、と思って生きていくほど強くはないです。
ただ、いずれ、一人になる時が来ると思いませんか?
家族がいても、パートナーがいても、友だちがいても。
断言はしないけれど、可能性は十分ある。
そんな日のために、慣らしておくのは、別に無駄ではないかな、と思います。
ひとり旅へのきっかけ
若い頃、ひとり旅、考えたことありませんでした。
何でしょうねぇ。一人が好きで、わがままで、それでもひとり旅は、怖かったんですよ。
私の場合は、自意識過剰だったのかなあ。
時代もあったと思いますが、「あの人ひとりだよ」と思われるのがイヤだった。
で、まあ、人は大人になっていくと、それぞれ自分の道を歩みはじめるわけで、それが結婚ともなれば「変わらず遊んでね」と言っていても、結局は旦那さんの許可を得なければならず、子供が生まれれば、子供が第一優先になっていく。
友だちがみんな結婚生活に入ると、自分も結婚しよう、と思う。か、それとも別のことを考えるか。
私の場合は、別のこと……一人行動が出来るようになろう、と思いました。それまでも買い物や映画くらいは一人で行ってたんですが、コンサートや観劇を一人で行く。
次に、地方のコンサートや芝居を観にいくために、一人で深夜バスに乗って、友だちのいる大阪まで行く。一人で飛行機に乗って福岡で友だちと待ち合わせる。
これらを7~8年くらいやりましたかね。
そんな時に、職場で、ちょっと嫌なことがありまして、急遽、一人旅を思いつきました。
こんな職場転職してやるーーーーーー!
そのために、仕事の縁をいただきに島根に行こう!
そんなことを思い立って、1ヶ月後、私は、雪の中サンライズ出雲の予約をしにみどりの窓口に出かけていました。
ひとり旅の準備
さて、行き先を島根に決めましたが、島根は未知の地だったので、ガイドブック買いました。ネットも漁りました。
往復サンライズ出雲にしたのは、東京から乗ってしまえば、乗り換えなしに現地まで連れてってくれるからです(笑)。新幹線から在来特急の乗り換え、とか、未知すぎて、無理、でした(笑)。
私鉄とバスが乗り放題の縁結びパーフェクトチケットがある、と知った時には、何て恥ずかしいネーミング! 窓口で、これ、言えるかしら、と思ったり、移動はバスが主だけど、バスってその土地によって乗り方違うから、不安だなあ、とか。
そもそも、サンライズ出雲……というか寝台列車だって、初ですよ。ちゃんと乗れるかしら。
泊まるところは? サンライズ出雲にお金かけちゃったから、泊まるところにはかけられないよなあ。あ、ここビジネスだけど、部屋のお風呂が温泉なの? いいじゃなーい! 簡易朝食もついてるし。ここにしよう。
荷物はどうする? 往復サンライズ出雲だから、実質4泊5日。リュックじゃ無理だよね。ガラガラ(簡易スーツケース)買うか!
そんなことをばっかり考えていた、1ヶ月でした。
さあ、ひとり旅
出発する頃、私はガイドブックとネットで得た知識で、不安よりも期待の方が多くなっていました。ただ、ひとつ不安なのは、知らない土地での食事。すでに【おひとりさま】という言葉もありましたし、島根という場所柄、ひとり旅女子も多いとは聞いてましたが、こちとらこれまでひとり飯するのは、フードコートの端っことか、ファストフード、ファミレスですよ。
でも、島根までいって、マックとかないっしょ。
そんなこんなで、サンライズ出雲(超楽しかった。少し酔ったけど)で松江まで行き、松江で、縁結びパーフェクトチケットを購入し、でもバスには乗らずに(笑)、宍道湖温泉近くのビジネスホテルまで、結局歩き、荷物を預け……
着いた時はちょっとドキドキで、バスに乗ることを躊躇したりしましたが、行ってみたいところに行ってるうちに、だんだん慣れてきました。
バスだって乗ってみれば、チケット見せればいいだけだし、初日の夕飯は雨が降ってきてしまったので、ローソン飯ですませてしまったけど、出雲大社付近でお蕎麦食べたり、海鮮食べたり、地元民おすすめの洋食食べたり…。
これを3日間、やってみたら。
これは、数年経った今もなんですが、
今は、ひとり飯、全然平気になりました。
2年前には、突如思い立って箱根と熱海に一人で行きましたが、関東はSuicaが使えるので、電車もバスもチョロイもんです(笑)。
ひとり旅の効能
ひとり旅しといてよかった、と思えたのは、父が亡くなった時でした。まあ、一人っ子なので、手続きを全部自分でやる、という覚悟はしてました。が、ひとり旅する前のように、誰かを頼っているような自分だったら、辛かったのに違いありません。
救急車で運ばれた病院から葬儀屋へ向かったり、火葬場へ行ったり、役所行ったり、社会保険事務所行ったり、司法書士さんの事務所へ行ったり、合間に食事取ったり、全部、自分で判断して自分で決めていく、ということが、ひとり旅に似てるなあ、と思いました。
ひとり旅とは違ってワクワク感はなく、タンタンとでしたけどね。
職場には店で一人でご飯を食べられない、という人もいます。ずっと家族や子供と一緒だからなのでしょう。
ただ、人間、何がどう変わるかわかりません。
ひとりがイヤだと思っていても、ひとりになることがあるかもしれません。
そんな時のために、楽しくひとりに慣れておくのに、ひとり旅は最適だと思います。
☆松江からバス30~40分乗って着いた八重垣神社は、私的には他のどこよりも、とっても気持ちのよい場所でした。猫様をしっかり送ったら(まだまだ元気なのであと10年以上は……)、また行きたいです。